日本の医薬品開発企業と市場の現状

医薬品の関する豆知識

新薬や医療用薬品の研究や製造・販売を手掛けている会社は日本にも各種あります。日本で流通している各種医療用薬品はどのような会社が手掛けているのか、日本での医薬品市場はどのような状況なのか…。日本にある企業を実際に挙げながら見ていきましょう。

医薬品製造の企業は多種多様

日本で医療用に使われる薬品を研究し、製造・販売している会社は数多く、未上場の会社まで含めると700社を超える数が存在します。中でも有名なのは、ドラッグストアクリエイトエスディーの運営を行っている「株式会社クリエイトエス・ディー」。関東地方を中心に展開しているドラッグストアの店舗を運営すると同時に、医療用薬品の製造や介護用品の販売、化粧品の製造など多数の商品を展開し続けています。

また、JTで知られる「日本たばこ産業株式会社」も、日本における医療用薬品市場を担う大きな存在です。たばこ製品の製造販売や医薬品の開発をはじめ、数多くの事業を展開しています。中枢神経系などの医療用薬品の製造を行っている「大塚製薬株式会社」も高い知名度を誇る企業であり、中枢神経系やがん、循環器などの領域を中心として様々な製薬を行っています。その他にも一般医療薬のロキソニンを販売する「第一三共株式会社」や、重大疾患に対抗するワクチンを手掛ける「武田薬品工業株式会社」など…。数多くの会社が、日本における医療薬の展開に貢献しているのです。

日本の医薬品市場の現状

日本国内でも古い医療薬の歴史を持つのは、1873年に政府の援助のもとで日本最初に設立された製薬会社「大日本製薬会社」です。大阪では1888年に「大阪薬品試験会社」が、1897年には「大阪製薬株式会社」が設立され、当初は輸入薬を中心として市場が発展してきました。1914年には薬の国産化の必要性が高まったことから、アスピリン、モルヒネといった重要な薬の研究・製造が本格化され、それを機に日本国内での成約産業は目覚ましい発展を遂げてきたのです。

医療薬の業界は人命にかかわるという特性から、医師に診断され処方される製品の他にも、ドラッグストア・薬局などで自らで入手できる製品など…実に多様な展開を広げています。新薬の他にジェネリックが展開されており、近年ではいまだに新薬が日本の医療薬市場の約90%を占めているとのことです。

AI技術で新薬開発にも変化

新薬の研究には、長きにわたる歳月と莫大な費用が求められます。しかも研究開発がすべて新薬の誕生として実るわけではなく、失敗に終わる可能性も高いのが現状。こうした状況から、日本ではすでに複数の製薬会社がAIを使った新薬開発を進めています。

理化学研究所・京都大学との協力のもと、創薬用AIの開発で新薬の候補となる物質が素早く探し出せるなど、AIの発展が大きな経済効果をもたらす可能性も唱えられています。すでに武田薬品工業や富士フィルムなどは、このAIを使った新薬開発に着手しているようです。